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11歳の雌のダックスのそらちゃんの歯石除去。
2016-03-08
今日は「論文回顧録」のページに麻酔外科学会での論文と学会発表した
「シベリアンハスキーにおける両側性異所性尿管の1例」を掲載しました。
これは一番思い出深い症例ですね。
開業間もない頃、ハートランド動物病院にて「子宮卵巣摘出手術」を私がしたのですが、
その後頻尿が治らず「膀胱炎」を頻発していたのですが、とても変だと気付き、私は
直ぐに単なる膀胱炎では無いと思い、「排泄性尿路造影」を行ったらなんと
両方の尿管が膀胱に開口していないことが解り、
すぐに大学病院へ行って現内科教授の小山先生や放射線教授の織間先生および外科教授の多川先生に
そのレントゲン写真を見てもらったところやはり「異所性尿管」という診断でした。「よく見つけたね。凄いね」と言われました。
それだけ両側性は大変珍しいのです。
この話もいずれ詳細に話をしましょうね。
さて今日は11歳になるそらちゃん。
以前のブログにも「子宮蓄膿症」で手術をして元気になったそらちゃんです。
そらちゃんは歯石が非常にたまりやすいので歯石除去手術を行いました。
安全な麻酔下によって行われます。
左の写真:そらちゃんの歯石除去後の歯です。真っ白ですね。
真ん中の写真:その後のそらちゃんの元気な姿。
右の写真:歯石が酷くなると歯を抜歯しなくてはならなくなります。時には目の下に膿が貯留し頬の部分
に瘻管が出来て、結局一部の歯を抜歯しなければ治癒には至りません。歯の歯周病も見た目は
は解らない症例でも頬の部に瘻管を作るケースもあります。明らかに歯石が付着していたら歯
周病からの原因菌だと考えるのが妥当でしょう。
皆様もどうぞ歯石には十分気を付けて歯ブラシをしたり布で拭いたり、幼少の頃から歯のケアーをして右の写真のようにならないように予防しましょうね。
また別のページにて口腔外科の話をします。